インプロビゼーションという物語創造
一昨日のことだが、知人のお誘いで、上野の実験的な公演「シュウマツの予定」という主催インプロカンパニーPlatformの即興=インプロビゼーションのお芝居を見に行った。(2019年5月7日まで http://plafo.info/ )冒頭のマジック(奇術)の導入がつかみとしても、とても良くできていて、子供が一緒にいても十分楽しめる始まりだ。物語についてはおおよそのアウトラインは決めてあり、その中に出演者の組み合わせがカードによりくじ引きで決まるのだという。(くじ引きはお客さんにカードを引かせるのだが、だれが何のスーツで何番なのかもう少しわかりやすくなればなぁと思う)ともかく、そのくじ引きで人の組み合わせが決まるので物語の進行を出演者同士が互いの出方を図りながら、司ることになる。そこで演出の役割も変化することになる。ある意味演出もその物語の立会人の一人(つまりは純然たる意味での観客)という立場に置かれることになるのかな、と思ったりする。昔日には状況劇場という集団があったが、インプロカンパニーさんは本当の意味で「状況によって変わる」劇上演なのだなと思う。
出演者と観客の上手な共犯関係の作り方を見た。同時に出演者のみなさんの極度の緊張状態を互いに楽しんでいる感じも伝わり、イベント=劇の参加法もゲーム世代が表舞台に登場することで、新しいコミュニケーションの形態へと進んでいく予感がした。